ICRの国際テニュアトラック助教であるWilly Jou助教の2015年12月の研究状況をご紹介いたします。
原文はこちらをご覧ください。
私は今年の7月から10月までLuigi Curini教授とVincenzo Memoli教授と共に本を仕上げるためにミラノ大学にいました。本のタイトルはWhy Policy Representation Matters: The consequences of ideological proximity between citizens and their governmentsでラウトレッジ 社からちょうど出版されたところです。この本は一般市民と政治家との距離について書かれています。右翼思想・左翼思想が政治へ参加、民主主義への姿勢そして主観的幸福に重大な影響を及ぼしていることが分かりました。 また過激派というよりは中道政党が支配している民主主義ほど、市民が自己の生活が上手く働いていると満足し肯定的な評価であることが分かりました。
この本の一部分を作るにあたって私は今Curini教授と共にイデオロギーの差と多様な形での政治参加の関係性について研究しました。この論文の発展的な点は、選挙での勝者と敗者を変数化し相互に与え合う影響とイデオロギーのプロキシミティを調べていることです。
8月にはEuropean Consortium for Political Research (ECPR)の会議にて2つの論文を発表する予定です。一つ目の論文は、2010年代の日本の選挙民が右翼的な方向に傾いているのか最近の調査を元に書いたものです。この本は高知大学の遠藤晶久教授と筑波大学の竹中佳彦教授との共著です。二つ目の論文は、新しく民主主義が導入された東ヨーロッパと南ヨーロッパの国々、ラテンアメリカと東アジアにおいて、民主主義の経験の長さと政治の質がどのように関係しているか、および確立されたイデオロギー的過激派が存在しているかについて書きました。この論文はカザフスタンのNazarbayev大学のSeijin Koo教授との共著です。
私はこの数年遠藤教授と共に研究をしており私たちは今、日本の市民のイデオロギーの意味への理解度や党の選定への認識度について25年以上さかのぼり傾向を調べ本にしています。本の仮題は「日本の政治に対するジェネレーションギャップ:政治の姿勢と行動の変化」です。異なったイデオロギーをもつ流派の違いを比較した章や過激な右翼団体への協力者のプロフィールが載っています。
最後に下記は私の最近の出版物です。
– 遠藤晶久,ウィリー・ジョウ (2015) “Presidentialization of Japanese Politics? Examining Political Leader Evaluations and Vote Choice”, Japanese Journal of Political Science 16(3): 357-387
– 竹中佳彦,遠藤晶久,ウィリー・ジョウ (2015) 「有権者の脱イデオロギーと安倍政治」『レヴァイアサン』 52号
– 日野愛郎,ウィリー・ジョウ (2015) “Political Communication Research in Asia”, in Gianpietro Mazzoleni, Kevin G. Barnhurst, Ken’ichi Ikeda, Rousiley C. M. Maia, Hartmut Wessler (eds.), International Encyclopedia of Political Communication (Wiley-Blackwell, 2015)