第1回 人文社会国際比較研究機構(ICR)セミナーの報告

2014年7月11日,スタンフォード大学政治学助教のフィリップ・リプシー氏を迎え,第1回 人文社会国際比較研究機構 (ICR)セミナーが行われました。 リプシー氏は2011年の福島原子力発電所事故の比較分析を行いました。本研究はエネルギー政策に関する広域研究事業の一環として、櫛田健児氏、トレバー・インセルティ氏との共同研究に基づいたものです。

辻中豊教授による短い紹介の後、原子力災害への対策が不十分だったのは日本だけだったのか、またもしそうだった場合のその原因について議論が行われました。リプシー氏は国だけでなく原子力発電所がある地域での災害対策にもばらつきがあることを強調しました。他の原子力発電所が福島原発事故と同程度の別の原子力災害を経験し、乗り切ってきたかという質問が挙がりました。リプシー氏の国家間比較に基づくと、日本は実際には津波により誘引された原子力被害に晒され、それはほとんど自然の脆弱性であったことが明らかになりました。しかし国内外で重要な変化があります。東京電力のような巨大な公益事業は防災対策が不十分であり、厳しい監視の下に置かれるべきだということが明らかになったことです。

報告を終える前に、リプシー氏は未来の政治に関する以下のようないくつかの推測を述べました。公益事業ではない中立的な立場からリスク評価がなされるべきであり、また巨大公共事業は特定の監視を受けるべきであるが、実際には政治的理由によりこれらの実現は難しいと指摘しました。

日 時:2014年7月11日(金) 11:00-13:00

場 所:人文社会系A棟 1階 A101室

演 者:フィリップ・リプシー先生(スタンフォード大学 政治学助教)

議 題:The Fukushima Disaster and Japan’s Nuclear Plant Vulnerability in Comparative Perspective

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リンク:https://politicalscience.stanford.edu/faculty/phillip-lipscy