筑波大学では、人文社会系研究発信週間を開催しました。この研究発信週間は、昨年の人文社会系研究発信月間に引き続き、普段は見えづらいが社会的要請の高い人文社会系分野の研究成果を広く社会に伝えることを目的とし、7月13日(木)に、人文社会科学研究科の各専攻長から推薦を受けた大学院生・研究員による「若手研究者プレゼンバトル」、同14日(金)午前10時から「遺伝研メソッド講習会」、午後2時からは、シンポジウム「人社系研究と遺伝研メソッドをどう結合させるか?」を実施し、活発な議論が行われました。
「遺伝研メソッド講習会」では、広海健 国立遺伝学研究所URA室長(リサーチ・アドミニストレーター室)による講習会が行われました。「遺伝研メソッド」とは、国立遺伝学研究所で開発された科学プレゼンテーションのカリキュラムであり、研究発表のトレーニングを通じて、研究者としての論理的思考力、質問や議論する能力を培うことができます。学生だけでなく、若手研究者、教員など多くの研究者のプレゼンテーション能力の向上に成果を上げています。
シンポジウム「人社系研究と遺伝研メソッドをどう結合させるか?」では、平田たつみ 国立遺伝学研究所教授(脳機能研究部門)によるメソッドのコンセプトの説明に始まり、辻中豊教授(人文社会国際比較研究機構(以下、ICR)長)、青木三郎教授(ICR副機構長)、山田重郎教授(人文社会系)、志田泰盛准教授(人文社会系)、平田教授、広海室長の6名のパネリストによって、活発な議論が行われました。またフロアーからも質問が止むことはなく、今後遺伝研メソッド人文社会版の開発・活用の話題も出ました。結果として、遺伝研メソッドは人文社会研究にも活用可能であるという共通認識が得られ、自然科学系と人文社会科学系といった異なる学術文化に属する研究者間のコミュニケーション促進が期待されます。