2016年4月11日、筑波キャンパスにて第25回ICRセミナーが開催されました。
第25回ICRセミナーは、”Fukushima and the Internet: Characterizing the Catastrophe from an International Point of View”と題し、Thomas Brisson准教授(パリ第八大学)をスピーカーにお迎えして行われたものです。Brisson氏は、原子力安全規制や防護対策を担うフランスの独立行政機関ASNを事例として取り上げ、福島第一原発事故に際してASNの行なったインターネットを介した情報流通とコミュニケーションの問題を中心に議論を展開なさいました。とりわけ、国際的な情報流通や市民に対するアカウンタビリティのあり方が原子力安全の規範形成に与える影響や、独立行政機関による科学的専門知と行政運営とのバランスのとり方といった点が議論の中心となりました。出席者からは、規範形成について、プロパガンダの介在余地があるという指摘や、私企業が関与する場合の営利性介在の懸念が指摘されるなど、活発な議論の場となりました。